再開 ページ1
もう何回繰り返したか分からない。
そもそも数える気も無かったから当たり前だが、恐らく100回以上はこの光景を見ている気がする。
｢はいお疲れさんAちゃん。オムレツおまけしてあげようね。｣
｢わーい！おばちゃん大好き♡｣
終わったあとは必ずここに戻ってきていた。
食堂にある大きな古時計を見れば時刻は昼の12時40分。
また同じ時間でここにリスポーンする。
gr｢む、お前もう居たのか。｣
tn｢相変わらず早いなぁ。｣
os｢なんかAのオムレツ少し多ない？｣
｢よぉ、三強。オムレツは私の日頃の行いだぜ、見習えよ。｣
os｢偉そうめぅ…｣
何回座ったか分からない席について待っていれば見慣れた顔が来る。
その見慣れた顔にいまは酷く安心してほっと息を吐いた。
大丈夫、こいつらの目は私を捉えてない。
私のことをなんとも思ってない。
gr｢午後は後輩と合同訓練だったか。｣
os｢今回こそは鬱先生を逃がさんわ。｣
tn｢あいつ、いつもサボるもんなぁ。あ、このおかず美味い。｣
三者三様で飯を食べていく。
特にトントンは1番美味しそうに食べていて、味のしないはずの飯も不思議と味がする気がした。
本当はオムレツなんてとうの昔に嫌いになった。
そもそも食事をすること自体に興味が無くなった。
それでも毎回律儀にこれを繰り返した。
｢グルッペンそのおかず頂戴ありがとう。｣
gr｢は！？俺まだ何も言うてないだろ！｣
tn｢流石にお前食い意地はりすぎやろ。｣
os｢淑女という言葉から1番程遠いな。｣
｢るせぇぞ外野。｣
グルッペンから奪ったおかずを口に放り込んで、ゆっくり噛み締める。
味はしない。無味なのに感触のあるこの感じが気持ち悪くて自分は嫌いだ。
tn｢そろそろ行くか。｣
gr｢早めに行ってだる絡みしようじゃないか。｣
os｢運動したない...｣
皆が席を立ち上がる中、自分だけはまだ座ったままだった。
それに3人が怪訝そうな顔をした後に、ハッと何か気づいたように顔色を変える。
os｢お前っ、！｣
｢お"ぇ"ぐっはァ"、｣
gr｢おい！早く吐け！A！！｣
tn｢軍医呼んでくる！｣
呼吸の仕方が分からないままに口から空気がどんどん漏れていった。
それに焦ったようにしたオスマンが私の背中を叩いて吐かせようとするが、なんとか我慢する。
｢A！！｣
薄れいく視界で最後に見たのは誰の顔だったか。
gr｢む、お前もう居たのか。｣
時計の針は12時40分を指していた。
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玲羽(プロフ) - 初めて見るタイプの小説で一気に見ちゃいました！本当に好きすぎるので続きを楽しみにお待ちしております！ (5月10日 3時) (
レス) @page3 id: 7295438ac2 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - この作品大好きなんで嬉しいです！！ (3月29日 20時) (レス) id: 8926da2068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見酒 | 作成日時：2024年3月24日 17時
