気味の悪い ページ3
目を覚ませばもう見慣れた天井が自分を迎える。
重たく怠い体を頑張って起こし時計に目をやればもう時間は迫っていて慌てて飛び起きた。
同室のトントンはもう着替え終わっていて自分待ちのようだ。
tn｢はよ行かんと怒られるで。Aなんかもう走っとるわ。｣
A、A...淡島A。
トントンの視線の先を辿り窓の外を見れば、そこには姿勢良く上り始めた朝日を受けながら走っているAの姿があった。
色々な奴から声をかけられては元気よく笑顔で対応しているあいつはまだ余裕があるのだろう。
もう一周目に入ったようだ。
tn｢あいつ時間忘れてるやろ...もう朝礼なのにまだ走るんか。｣
草原を駆け抜ける馬のように伸び伸びと走っているA。
何かを口に出す訳でもなく見ていれば、いつもと様子が違うと思ったのだろうトントンが顔を覗き込んで目に心配の色を浮かべていた。
tn｢どしたんグルさん。まだ寝ぼけてるんか？｣
gr｢...なぁ、トン氏。今日の朝食はなんだ？｣
tn｢はぁ？？朝食ぅ？？寝起きの開口一番がそれなんか。｣
gr｢いや、少し目覚めの悪い夢を見てな。もしかしたらと思っただけだ。｣
tn｢ほーん、お前がそうなるなんて珍しいこともあるもんやな。｣
でもはよせんと遅れるで、そう言われてもう一度時計を見ればいよいよまずく急いで着替える。
薄情な事にトントンは先に行ってるとだけ残すとそのまま行ってしまった。
｢ようフューラー君よぉ！珍しいね遅刻かい？｣
gr｢お前なんで人の事言える立場だと思ってんや、俺と立場同じだからな。｣
｢いやまだ走れば間に合うから！ほら走るぞ！｣
向かう途中でAと鉢合わせする。
額に汗を浮かべているから急いで来たのだろう。
少し息切れしながらも時間は待ってはくれないので一緒に走って向かえばギリギリで間に合った。
｢今日オムレツらしいぞ！ジャンケン勝ったらくれよ！｣
os｢ええで？勿論お前も自分のおかず賭けるんやろな？｣
｢負けるか勝つか...2分の1の確率に賭ける！｣
朝起きた時から、なんとなく既視感があった。
例えばAが走ってる姿だとかギリギリでAが間に合うだとか、この目の前で行われている会話もそうだ。
今朝見た最悪な夢と嫌な程に似ているのだ。
gr｢お前らまた言うてんのか。｣
os｢ん？前も言ってたか？神の定義なんて話した気せんけどなぁ。｣
嗚呼、本当に気味が悪い。
いま見ている光景が夢なのか現実なのかも分からなくなる。
続く
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玲羽(プロフ) - 初めて見るタイプの小説で一気に見ちゃいました！本当に好きすぎるので続きを楽しみにお待ちしております！ (5月10日 3時) (
レス) @page3 id: 7295438ac2 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - この作品大好きなんで嬉しいです！！ (3月29日 20時) (レス) id: 8926da2068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見酒 | 作成日時：2024年3月24日 17時
