▶︎長い長い闇を抜ける ページ19
最後に、ゾムの部屋へと入ろうとすると突然熱風が中から噴き出して来る。咄嗟に身を守ったが痛みが何も起こらない。それを見て愉しそうに微笑んだゾムはAからしたら悪魔の様だった。このまま生きて帰す訳には行かないと暇潰し感覚でAを襲ったのだが、グシャリと飛んで行ったカップケーキの方を見てキラキラとした目線を向けた。
「な、なあ！これ何！？」
『こ、これはオスマンさんのカップケーキで……』
「カップケーキ？それって美味いん？」
『私は好きですよ』
「貰ってええ！？」
『どうぞ』
まさか巡り巡ってゾムがカップケーキを欲しがるとは。割と窮地を脱したAがゾムにカップケーキを渡すと、ゾムのお腹の音が鳴る。大きな口を開けてぱく、と一口で食べるゾムにAもお腹が空いて来る。それが分かったのかAの口にカップケーキを放り込んだ。
それが地獄の始まりだったのである。ゾムにとっては人間が苦しい思いをするのを見るのが大好きなドSの権化であった上に其処まで甘い物が好きではなかったという事もあり、頑張って小さい口でカップケーキを頬張る姿を見て気持ち悪い位には興奮を覚えた。
何とか口に入れ終わったAだが、もう無理だとゾムに訴えても聞く耳を持たずにケラケラと笑うだけ。この行為を食害と恐れられているのはまた別の話なのだが、それはそうとして、苦しそうにしているAに強く劣情を抱く。何分後だろうか、食べ終わったAは泣きそうになりながらゾムの方を向いた。まあ、何だかんだゾムが苦手な割には半分以上食べたものだからAは救われた訳なのだけれど。
『ゾムさんって甘い物苦手なんですよね。他にも苦手な物とかってありますか？』
「それはどういう意図で？」
『朝ご飯を皆さんの分作ろうと思ってまして』
「じゃあ俺、トマトと捏ねて作るもんは嫌いって事伝えておくわ。後、大盛りで頼むな」
割とゾムは偏食家だったのだが、そんな事を言っている身分ではないので軽くそうAに伝える。Aはハンバーグ等の子供が大好きな定番メニューを考えていた為にそのプランが崩れた事を少しだけ寂しくは思うが、料理をする事自体は嫌いではないので別メニューにしようとか考えていた。宛ら12人の子供を持つ親の様だったが、そんな事は気にせずに膨れるお腹を摩り、Aは医務室へと向かった。
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オバケ(プロフ) - 続編が8回…！？もう一回遊べるドン！×8は嬉しすぎます。無理のないよう僕たちに尊いを供給してください、お願いします！！ (4月30日 21時) (
レス) @page50 id: db93c912f5 (このIDを非表示/違反報告)
n(プロフ) - すごく面白かったです…！！応援してます！ (4月13日 6時) (レス) @page50 id: 55db97e30c (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - なーとどさん» ありがとうございます……！！続編は少しだけ手直ししているのですが、ぼちぼちと更新していこうと思っております！！ (4月10日 17時) (レス) id: bdf8650039 (このIDを非表示/違反報告)
なーとど(プロフ) - この作品に出会えたことに凄く感動してます！！続きいつまでも楽しみに待ってます！ (4月10日 16時) (レス) @page50 id: 13e99d6a75 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - アホですさん» ありがとうございます！！面白いと言ってもらえて感無量です……！れ (4月9日 17時) (レス) id: bdf8650039 (このIDを非表示/違反報告)
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