11. ページ12
翌日。
わざわざ早起きして自分で弁当を作った。今日は母がいなかったからだ。
今日はチーノと一緒に食べるんだっけ…とぼんやり考えながら支度も済ませ、玄関のドアを開けた。
「おはよう宮原さん。あなた昨日チーノ様と一緒に帰」
パタン。
…………………休もうかな(真剣)
ドアを開けたら親衛隊の女の子が出待ちしてるとか恐怖でしかない。というかなぜ知ってる、ストーカーか。ストーカーなのか。
こうなることはなにも初めてではない。コネシマくんと(一応)鬱くんと仲がいい以上、小学校中学校でも同じような迫害を受けてきた。ただ出待ちは初めてだ。
ドアの前で女の子がなにやら言っているが、出たくないすぎて鍵を閉める。
…怖くは、ない。
あれだろリアコ勢。推しが同じ作中のキャラと絡んでたら「おいテメェなに言い寄ってんだ潰すぞ!!!」ってなるタイプだろ。私の友達がそうだった、害悪すぎて縁は切ったが。
しかし思ったよりだるいな。この調子だと長く居座りそうだ、早く行かないと遅刻してしまうし。この女のために遅刻するのは死んでも嫌だ。遅刻しそうだったら跳ね除けて行く。
「なにしてるんすか?」
「っ!しょ、っぴさま、?」
「そこ、Aの家ですよね。アンタAと話したことないでしょ、なんで家知ってるんすか」
あんたこそなぜ知ってる?(素朴な疑問)
恋愛漫画に出てきそうなヒーローの如く登場した猫くん。ただこれは私と玄関のドアを挟んでの会話なので、猫くんはまさか私が壁一枚挟んだところにいるとは思ってないだろう。
「…あー、なんや?嫉妬、とか??」
「だ、だってこいつがチーノ様と」
「知りませんよ。モテない自分を恨んでください」
「っ」
なんだコイツ思ったより冷たいな。
「泣かれても」
………わたし、いつ出れば………???
ごめんあそばせーとか言いながら出たら次は確実に女の子に殴られる。明日から朝日が拝めなくなる。
まだ好きな漫画とス◯ローのコラボ始まってないんだ、まだ死ねない。
どうしようかなぁーなんて考えていると、女の子がさっさとどこかに行った音がした。
「…はよこんかなぁ」
一緒に行く気だったらしい。ごめんね察しの悪い女で(涙)
かちゃり、とドアを開けると、猫くんが目を大きく開いた。
猫のフレーメン反応?
「…おはよ」
「うんおはよう。ありがとさっきは」
「………聞いてたん?」
「さーぁ?」
なぜか耳が赤かった。
528人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MAI(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!続きも頑張ってください! (1月15日 20時) (レス) @page11 id: 9c768ff3d4 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - めちゃくちゃセンスあってすきです、続き待ってます (1月4日 22時) (レス) id: b8a744f8ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まむ。 | 作成日時:2024年1月3日 21時