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35:〃 ページ35

カレーの匂いが再び立ち込められた食堂

1席だけ空席のままなのは、紫色の男が長期出張によってしばらく帰ってきていないからであった

そのため、エニス達のことは定期的に行う文通のついでに報告するようだ

持ち運んできたホワイトボードの前に立ったトントンが”何故オークションで人間を買ったのか”について

全員が知っていることだが一応、ということで
華が足りなさすぎる、メイド雇用は面倒、などの大まかな理由を簡単に説明

「で、俺らは3つのグループに分かれた」

彼は黒色の水性ペンを手に持って、ホワイトボードの面積を縦に三分割する

それぞれの上の方にグループ名を記入して、
キャップを付け直したペンを指示棒代わりに使いながら、右から順に指し示した

鬱・ショッピ・ひとらんらん・グルッペンで構成された【競り組】

エーミール・チーノ・オスマン・トントン・しんぺい神で構成された【待機・情報組】

残りのロボロ・コネシマ・シャオロン・ゾムで構成された【破壊組】

「各グループで起きた出来事や手に入れた情報を、簡単にこの場で共有していくで。
ま、妥当に【競り組】から行くか」

へーい、と気のない返事をしながらたばこ片手に席を立ったのは青色の鬱

机に置いた資料を空いている左手で持って、要約された文を読み上げる

「えーとひとまず、当初の目的やった【整った顔】【幼女】の条件を満たした人物を見つけて、買い取ることに成功。まぁ、これがエニスちゃんやね」

トントンはホワイトボードに目標達成の字を【競り組】の下に書き足して、エニスの顔写真をマグネットで貼り付けた

「ここで6000万の出費。そのままさっさと帰る予定やったんやけど、エニスちゃんが”アル”という人物も連れて行くことを要求したんよ。
ほんで、グルッペンがその要求をのんで、当初の目的には無かった”アル”という男を、融通を利かせてくれた開催者側が提示した6000万を支払うことによって買収した、ってな感じやな」

アルの顔写真が追加で貼り付けられ、6000万×2という数式がホワイトボードに書き加えられた

「こっちの一連の流れは概ねこんな感じやけど……。馬車での印象を言えば、エニスちゃんはグルッペンの事を知らんくらいの、ほんまにちょっと世間知らずな御令嬢って感じやったし、
アルの方は……まぁ…前の主人の躾けが行き届いとんなぁ……って」

やんなぁ?と同席した人物達に問えば、まばらに肯定の相槌が打たれる

そんな感じ、と言って鬱は腰を下ろした

36:〃→←34:我々だ側視点



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作者名:ねっこんこん x他1人 | 作者ホームページ:http://nekokobuta  
作成日時:2024年3月20日 2時

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